消費税は中立か?公平か?

消費税の増税がされて2ヶ月が経ちました。

増税後の消費落ち込みが鮮明化、大型対策で日本景気は持ち直すか(ダイヤモンド・オンライン)

上記の記事にもまとめられていますが、やはり消費の落ち込みが各企業に大きな影響を与えているようですね。国の政策として、今回の消費増税は良かったのかor悪かったのか。

その考察をする前に、租税や消費税というものを調べてみました。

そもそも租税はなぜ存在するのか?

私たちは、様々な種類の税金を払っていますがなぜ租税というものが存在するのでしょうか。理由は2つあります。

①公共のサービス:利益説

この考え方は、社会契約説(=人々が契約によって国家を誕生させた)に基づいています。政府の役割は公共サービス(=利益)ををもたらすものであり、その財源として国民は租税を負担するという考え方です。

②暴動の抑止:能力説

この考え方は、国家有機体説(=国家はひとつの生物であり、個人は国家機能の一部として存在している)に基づいています。個人は国家の構成員であるため、国家として避けたいのは国民の暴動。

日本だけでなく、世界の歴史をみてみると国家が滅亡するときには暴動が起きています。国民の暴動によって国家を滅亡させないがために、所得を再分配するというのがこの能力説です。

能力というのは、租税を負担する能力のことですね。能力が高い人がたくさん負担して、能力の低い人は負担額が減るかなくなるというものです。

租税にとって大事な原則(中立・公平)

租税というものは、国家が権力を使って国民からお金を徴収するものです。租税にも原則があり、その原則から逸脱したものは好ましくありません。

中立の原則

中立の原則では「租税の存在で家計や企業の経済行動に非効率な変化を生じさせない」とされています。

例えば、所得税や法人税を考えてみるとわかりやすいですね。所得税率が100%になれば、国民は労働をしなくなりますし、法人税が100%になれば企業は海外に出ていきます。

消費税は、中立でしょうか?

人々は消費をせずには生きること、生活することはできません。しばらく消費を控えたとしても必ず消費をすることになります。したがって、中・長期的に見ると消費税は中立な租税です。

しかし、消費税も中立でなくなるときがあります。それが、増税の前後です。まさに今の時期ですね。増税後は消費が落ち込み税収が減るのは仕方がありませんが、今後しっかりと復活するのか気になるところです。

公平の原則

「租税は人々が公平に負担をする」という原則ですが、公平とはなんでしょうか?何をもって公平と捉えるのか?によって、見え方が変わってきます。

垂直的公平:高所得者は高負担 低所得者は低負担

この垂直的公平は、能力説に基づいています。租税能力の高い高所得者には高負担をしてもらい、低所得者には低負担をしてもらうことで「公平さ」を保つというものです。

例:国民が存在しているだけで課税される人頭税は、高所得者も低所得者も同じ金額の負担になるので垂直的公平がとれていない

水平的公平:サラリーマンと自営業者と農業者

同じ所得であれば、税負担も同じであることが「公平である」という原則です。サラリーマンの場合、所得税は源泉徴収が適用されるので申告納税をしません。

それに対して、自営業者は農業者は申告納税が基本です。申告納税は、源泉徴収よりも経費の自由度が高いために課税所得の金額が減る傾向にあります。(9:6:4=クロヨンとも呼ばれる)

同じ所得でありますが、このケースでは水平的公平はとれていません。

消費税は、公平か?

消費税は、基本的には中立ですが増税の前後に関しては中立ではなくなると先程お話しました。では、消費税というのは公平なのでしょうか?

消費税は、高所得者も低所得者も一律で課税をされる税です。平均消費性向(=所得のうち消費回す割合)は、高所得者は低いですし、低所得者は高い。ゆえに、高所得者の消費税負担額は低所得者のそれと比べて比率が低く「垂直的公平」の観点からは不公平だと言われます。

しかし、サラリーマンと自営業者・農業者にかけられる所得税が水平的公平の観点において不公平だったのに対して消費税は、消費した分に対して課税されるので公平であると言えます。

したがって、様々なニュースを見るときはこの「中立・公平」の原則ありきで見る必要がありますね。

参考書籍『消費増税は本当に必要なのか?』


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