◆ニュース概要◆
認可保育施設の利用を巡り、保護者が育児休業を延長するために「落選狙い」であえて倍率の高い保育所への入所を申し込む例が広がっているとして、政府が対策を検討することが4日までに分かった。大阪市など32自治体の要望を受けた対応で、地方分権改革の重点事項の一つとして年末までに結論を出す見通し。(日本経済新聞)
◆調べた情報(保護者の立場・政府の立場)◆
平成29年10月に育児休業給付金の支給期間が『1歳6ヶ月まで』から『2歳まで』に法改正
<保護者の立場>
●メリット:給付金は非課税、社会保険料も免除される
●子どもを入園させやすいのは4月→2歳まで育児休業ができれば、いずれかの保育所の4月に入園の申込みができる
●適用される条件:認可保育所から『入所保留通知書』をもらった人のみ
●入園を希望していない人が申請をするため、本当に希望している人が落ちることが起きている
●制度が「入所保留通知書」を必要としなければ(無条件で育休延長なら)解決できるのでは?
●2015年度雇用均等基本調査によれば、育児休業からの復職率は女性で92.8%、男性で99.9%
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<政府・自治体・厚生省の立場>
●育休中は雇用保険を財源とする『育児休業給付金』で補償される
●無条件での延長が可能になれば女性の就労にも逆効果では?(厚労省担当者)
●長期の離脱をしたあとに即戦力としての就業が難しい(企業)
●雇用保険から給付金が出るため公平性がでなくなる(厚労省担当者)
●職員が必要のない作業に追われることになる(自治体)
<出典>
『厚生労働省 平成29年10月より育児休業給付金の 支給期間が2歳まで延長されます』
『日経スタイル 育児休業、2歳まで延長可能に 所得補償は50~67% 』
『ウートピ 育休2年に延長 約7割の企業が「良い法改正」と言うけれど…【育児休業実態調査】』
『西日本新聞 育休が最長2年に延長 企業の17%「良いと思わない」 スキル低下や代替要員確保に懸念も』
『ライブドアニュース 保育園にあえて落ちる?育休延長のため不承諾通知を狙う人たち』
『テレ朝ニュース 制度に問題?“育休延長”でわざと保育園落選狙いか』
自分が気づいた特徴or問題点
(実は何がすごいことなのか?実は何が問題の中心なのか?)
そもそも、育休制度というのは子育てをしながら働きたい(働かなければならない)人のために定められた制度である。働きながら子育てをするためには子どもを保育所に預ける必要があるが、保育所の定員が満員で子どもを預けることの出来ない保護者のために育休延長の法改正が行われた。
保育所が見つからない保護者のために 育児休業を延長する制度自体は良かったが、その条件を「認可保育所からの入所保留通知書の取得」にした点で混乱や悪い影響を招いているのではないだろうか。当然、育休延長を望む保護者は 本ニュースに取り上げられるように通知書を獲得するためにわざと落選を狙う。しかし、反対に育休延長の条件をなくして無条件で許可すると雇用保険の財源を圧迫することとなり公平性にかける。したがって、然るべき人(子どもを保育所に入れて早く職場に復帰したいが、保育所が見つからないために育休を延長せざるを得ない人)に育休延長の恩恵を届けるためには「入所保留通知書」意外の条件を設定する必要がある思う。
自分ならどうするか?という提案
現状の制度では、育児休業給付金をを給付する必要のない人(収入や家庭の状況で困窮していない家庭)にも与えられる可能性がある。そこで、保育所の入園の際に使用される『点数』を育休の延長にも採用してみてはどうだろうか。点数が低い(困っていない家庭)は、育休の延長が認められないという制度である。そうすることで、わざと入園が難しい保育所に申請をするのではなく空いている保育所を探すような動きになると考えられる。
記事作成時間:2時間40分
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