【ニュース #27】経営者保険、危ういヒット 中小の節税ニーズで拡大も、生保に副作用

ビル

ニュース概要

経営者保険、危ういヒット 中小の節税ニーズで拡大も、生保に副作用

 支払った保険料を全額会社の経費として計上できる「全損型」の経営者向け生命保険が拡大している。足元の業績回復で増えた利益を圧縮し、節税したい中小経営者らの間でヒット。超低金利で魅力的な商品の供給が難しい各社には干天の慈雨となった。一方、解約が集中するといったリスクも抱え、生保には痛しかゆしの商品でもある。

 

調べた情報

●全損型の生命保険は、法人税の支払いを将来に遅らせるもの
●5年後や10年後に解約するときに戻ってくるお金は収入として換算され、法人税がかかる
●実質返礼率とは、法人税を払った場合と比べてのもの。

【背景】

日本生命のプラチナフェニックスという商品を皮切りに市場に火がついた。しかし、あまりにも人気があるために金融庁が実質調査をするということでまったをかけた。過去にも、生命保険の会社は全損タイプの経営者保険をこぞって販売して、国税からダメ出しをされたことがある。

【一般的な節税】

1)社員旅行→使ったお金が戻ってくることがない
2)社用車の購入→減価償却として計上するために、全額損金にすることができない
3)法人用保険→全額損金にできるものもあり、将来解約すれば帰ってくる

【法人保険のメリット】

1)損金として計上できるだけではなく、困ったときに使えるお金として帳簿外にお金を貯めておくことができる。
2)退職金の資金を貯めることができる

【法人保険のデメリット】

1)会社のキャッシュフローが悪くなる:会社を成長させるために、キャッシュを新規事業の投資や人員の拡充に充てたいときは、キャッシュフローの悪化は経営にとって致命的になる。つまり、今後、多くのキャッシュが必要になりそうな場合は、法人保険による節税は向いていない。→うちの会社はまだベンチャーでキャッシュフローがキツイから、向いていないのかも?

2)保険の解約のタイミングを間違えると損をする→ピークの年があり、それに満たなくても超えても損をすることになる。

3)節税ではなくて、税金の繰り延べにしかならない。

 

自分だけが気づいた重要な点・問題点

バカ正直に納税するより、状況によっては経営者保険に入ることで得をするだろう。しかし、商品の善し悪しを判断する前にまず自分の会社のキャッシュフローと会社自体の方向性を考えなければならない。会社経営をする上で、自分の会社に必要な事業投資などが決まっているのであればそのお金をつかって経費計上したほうがよい。

自分ならこうする

①現在の会社の規模 ②これからの会社の方向性 ③現在のキャッシュフローのことを考えると、経営者保険ではなく事業投資に回す。事業投資するものがなく、節税のためだけに社員旅行や社用車の購入をするぐらいであれば、利益を生み出すインターネットのサイトやシステム開発、人件費等にあてる。

 

 

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