ニュース概要
ふるさと納税が制度発足から10年を経て転換点を迎えている。2017年度も全国の自治体の受け入れ額は過去最高額を更新したものの、伸び率は縮小した。返礼品競争の自粛を促す総務大臣通知を受けて、返礼の見直しや使い道の明確化などの動きが広がったが、豪華な返礼を続けた自治体が額を伸ばした。応援寄付金という本来の趣旨が問われている。
調べた情報
【総務省の通知内容】
我が国において人口減少が深刻化する中で、地域資源を最大限 活用し、地域経済を再生させていく上で、重要な役割を果たす制度
【本来のふるさと納税の目的は?】
●目的1:納税者が納税先(寄付先)を決められる=使われ方を考える
●目的2:地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正
●目的3:自治体間での競争を促せる
【納税者がふるさと納税をする動機】
●高価な返礼品を貰えるから
【ふるさと納税の効果】
●2017年度の自治体受け入れ額は過去最高を更新(3653億円)
【問題視されていること】
●返礼品が豪華なところに納税が集まる
●返礼品として魅力的な商品がないところは寄付が集まらない(=市場経済なら当たり前)
●競争によって返礼品の原価(返礼率)が高騰し、広告費や人件費とも合わせて実質的に残る金額が少なくなる(=安売りしたらキツイ)
●総務省の通知(返礼率を3割以下にせよ)に法的拘束力がないために、正直に3割以下にしているところに寄付が集まらない
●寄付を集めるために、外国の商品や換金できる商品券を返礼品にする自治体もある
【総務省とふるさと納税と自治体の関係性】
●総務省は地方交付税交付金の分配権利を持っている
●地方交付税交付金は、自治体の財政状況で決められる=財政状況が悪いと総務省に逆らえない
●総務省のそうした自治体の幹部として天下ることが可能
【出典】
『ふるさと納税事業が本来の目的を離れて、自治体の自主事業化しつつある不幸な現実』
『総務省 ふるさと納税HP』
『ふるさと納税、東京は巨額税収減で死活問題…本来の趣旨無視の豪華返礼品競争が再燃か』
自分だけが気づいた問題点
ふるさと納税の目的は、地方格差を是正することである。簡単に言えば、地方が“お金を稼ぐこと”だ。
しかし、返礼品の意思決定をする自治体職員が公務員で商売感覚がない(=利益がなくてもクビにならない)ため、原価率(返礼率)を上げて寄付金を募っている。自治体の払う広告費や人件費と合わせると、手元に残る金額は減ってしまい本来の目的とずれる。総務省が出す通知に、法的拘束力や強制力がないことが問題ではないだろうか。
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