ニュース概要
国土交通省は27日、経営再建中のJR北海道に対する支援策を発表した。2年間で400億円台の資金を投じ、国交省が監督しながら早期の自立経営を促す。JR北はこれまでも国の支援を受け、すでに2030年度までの支援も求めている。自力での経営再建は難しいと見ているためだが、支援が続けば経営改革の努力が鈍る恐れがある。
調べた情報
【基本情報】
●1987年の国鉄民営化で、JR四国・JR九州とともに3島会社と呼ばれた
●鉄道事業での赤字が続き、19年連続で赤字
【当初から予想されていたJR北海道の赤字】
●民営化の時点で赤字が予想されたため、経営安定基金が設けられた
●経営安定基金とは、JR北海道・JR四国・JR九州などの鉄道事業で利益を出すのが難しい3島会社のために運用益で赤字を補填しようという目的のために設立された基金のこと。
【なぜ赤字がわかっていて民営化?】
●日本の鉄道は、国が運営する国鉄・民間が運営する私鉄・自治体が運営する公営交通の3つだった
●国鉄は赤字経営がこじれて25兆円を超える累積債務を抱えた
【国鉄の歴史】
●起源は、1872年に新橋〜横浜間で開通した鉄道
●第二次世界大戦で敗戦してから、GHQが民主化を進めるために労働組合を認めた。国営鉄道に労働組合を取り入れるために、国から分離して公共事業とした。
●当初は利益を上げて、優秀な公共事業となったが1964年に初めて8300億円の赤字決算になった
●赤字の原因1:自動車の普及と旅客機の発達
●蓄積していた利益で赤字を補填
●赤字の原因2:副業が禁止されており、私鉄のように不動産や流通部門で支える仕組みがなかった
●赤字の原因3:運賃の値上げができなかった→特殊法人だったため、政府が法案作成をし国会が承認しなければならない。国会は承認しなかった。
●赤字の原因4:急激な値上げ。晩年になって1976年に50%、1977年に50%の値上げを行ったために、国鉄離れが起きた
【なぜJR九州はうまくいっているのか】
●副業である不動産事業がうまくいっている
●6割は鉄道事業以外の収入
自分だけが気づいた問題点
鉄道事業だけで赤字を黒字にするのは、3島会社と言われるJR北海道・JR九州・JR四国は難しい。しかし、JR九州は上場するまでに業績を回復させた。それが、鉄道事業以外の不動産を中心とした副業である。北海道には、九州と同じような観光資源が豊富にあり同じようなモデルで取り組んでいくことが可能だ。JR九州がそうなれたのも、九州にJR九州の競争相手となる企業があったからである。しかし、JR北海道はほぼ独占状態にあり国鉄時代の名残で利益を追求する考えがないところが問題ではないのではなかろうか。プロ野球の球団や、豊富な観光資源、農産物を活かした鉄道事業以外の副業に力をいれていく必要がある。
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