【第14話】地元の友達が「やまちゃんが東京で怪しいことをやっている」と噂する

2011年5月

僕は、たつやだけでなく音楽イベントで仲良くなった友達もネットワークビジネスに誘おうとした。

「◯◯さん!これ、めっちゃいい話なんだけど……」

「やまちゃん、おれはいいかな〜。辞めといたほうがいいよ」

という反応を幾度となく経験した。なんだかもう話をすることすら怖い。最初にたつやを紹介して以来、僕はもう森さんに人を紹介することができなくなっていた。

人がお金にしか見えなってきたことが嫌になった。

森さんに言われたとおり、最初に自分の電話帳をリストアップしたけれどそのリストがお金にしか見えないのだ。自分の友達の名前が。

森さんは何も感じなかったのかなー?と僕は疑問だった。自分の仲の良い人がすごい嫌な気分になっている姿をみて、なんとも思わないのかな?と。




ある日、母親から電話がかかってきた。

「あんた変なことやってないよね?
 なんかあんたの友達のお母さんから変な噂きいたよ」

びっくりした。地元愛知県の友達に声をかけた記憶なんてないのに、何か変な噂がまわっている。

しかし、その噂もあながち間違いでもない。まさしく僕は友達をなくす「変なこと」をやっているのだ。

「これだったら楽してお金が稼げるよ!」
「働かなくてもお金がはいってくるよ!」

そういって人を紹介して、ピラミッドの図を使ったプレゼンテーションをしてもらう。

うん、やっぱりおかしいよな。

気づいたときにはもう遅かった。自分と仲良くしていた友達はもう自分の周りにはおらず、残ったのは手帳に書かれたリストアップ済の友達の名前。

結局、僕の友達をお金に換金することもできなかったしお金どころか友達すらなくしてしまったのだ。


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