ゆるきゃら政策に効果はあるのか?

目次

ゆるきゃら政策とはなに?

先日、いとこの結婚式で金沢へ行ったときに、兼六園を歩いていたら名前不明のゆるきゃらとすれ違いました。

りいたくん と言うらしい…

名前もしらないりいたくんでしたが、全国各地では様々なゆるくキャラが存在しています。僕はこれまで

・愛知県豊橋市
・神奈川県横浜市
・東京都文京区
・大阪府大阪市
・兵庫県神戸市
・福岡県福岡市

に住民票をおいて住んだことがあるのですが、どのゆるきゃらも知りません。笑

では、どうしてこんなにゆるきゃらがいるのか?実際に政策の効果の程はどうなのか?調べてみました。

「ゆるきゃら」はみうらじゅん氏が作った言葉

これは知りませんでした。みうらじゅん氏のことも正直あまり知らなかった(名前ぐらい)です。ブームになったのは2010年以降ですが、商標登録されたのは2004年のようですね。(Wikipedia参照)

くまモンで1000億円を超える経済効果に続け!

誰もがしるくまもんの経済効果とは?

ゆるきゃらについて詳しくなかった僕でも知っている、くまモン。熊本県のゆるきゃらですよね。くまモンのニュースを調べていると、様々な経済効果に関するものが出てきます。

日本経済新聞をみていても、2019年のニュースで出てきました。メディアも話題として取り上げています。

日本経済新聞

彦根市のひこにゃんが、2010年に話題になったことでゆるきゃらブームに火がつきました。ゆるきゃらグランプリも2010年から始まり、自治体を中心として取り組んでいるゆるきゃらの総数は2000を超えるとされています。

さらに、第2回ゆるきゃらグランプリを獲得したくまモンが、ひこにゃんとは違って権利を自由に使って良かったこともあり大量にグッズなどが投入されて一気にブームになりました。

くまモンの経済効果は、1000億円を超えるとニュースになったこともありわれこそは!といって各自治体がゆるきゃら政策に力をいれるようになります。

【ゆるきゃら政策の理屈】

①自治体が予算をかけてゆるきゃらを作る
②自治体が予算をかけてPRを展開、ゆるきゃらグランプリで優勝する
③ゆるきゃら目当ての観光・商品需要が発生し、地元の認知度が向上して活性化する

ゆるキャラグランプリ

こちらがゆるきゃらグランプリです。グランプリとったけど、全然知らんがな!笑

各自治体がこぞって予算と人と時間を使って力をいれている、このゆるきゃら政策の効果は実際のところどうなのでしょうか?

ゆるきゃら政策の問題点を指摘する木下斉(きのしたひとし)さん

地方創生の問題が体系的にまとめられている

一見、良さそうにみえるゆるきゃら政策に「待った!」をかけるのが地方創生大全の木下斉さん。

大の大人たちが集まって、税金を打ち込んでやるような経済政策なのか?

『地方創生大全』

と強い反対をしています。理由を以下にまとめました。

ゆるキャラ商品が他の商品の売上を下げる

まあくんの何でも体験記より

ゆるきゃらグッズが売れるからいいではないか!という意見もあります。しかし、効果全体をみると一概にプラスの面だけではありません。ゆるきゃら関連グッズを置くことによって、売り場に置かれなく商品が出てきたり、売れなくなる商品もでてきます。

新たなゆるきゃら商品による売上が既存商品の売上を食っているという構造です。(今までの売上の種類が変わっただけでは?)

ゆるキャラグッズは、革新的なものが生まれたわけではなく携帯カバーやまんじゅんにキャラクターをつけるなど既存商品のパッケージを変えているだけのものが多数。

経済効果はプラスとマイナスを合わせて考えなければ信用ならない

日銀の熊本支店は、2013年にくまモンの経済効果を1000億円と出しました。しかし、1000億円をどうやって出したのか確認してみると「くまモンをつけて関連商品の売上高」のアンケート調査が根拠となっているようです。

しかし、上記の説明にあるようにくまモンの商品をおいたら他の商品の売上があがらなくなっているだけであり、売上の種類がかわっているだけの部分もあります。

それを、全てゆるきゃらの経済効果として足し算をしてまとめているのが現在の経済効果の算出方法です。

ゆるきゃらにかかってる予算は?

それでは、どれぐらいの予算がゆるきゃらに各自治体で使われているのでしょうか。まとめらているニュースを発見。

ぬいぐるみは、1体50万円〜100万円

財務省によると、28機関で作製された着ぐるみの平均単価は約59万円。中には1体で133万円を支出した機関もあった。年間稼働日数(2013年度)は平均で僅か19日。「年間5日の稼動で、維持管理費用が年間100万円を超えているものもあった」(主計局司計課)という。

J CASTニュース

なんと!僕たちが、まちやイベントで見るあのキグルミってそんなに高いんですね……汗 制作費で100万円で、ランニングコストで年間100万円。しかも、年間5日の稼動って!笑

ひょっとしたら、僕が金沢であったりいたくん、5日のうちの1日だったかもしれませんね。笑

市の正職員が4名〜8名体制でゆるきゃら事業に携わる

ぬいぐるみの経費だけでなく、人件費も当然かかってきます。

この資料によると、市町村の単位でゆるきゃら事業に充てられている人材の数は中央値で4名、平均値で8名でした。どれぐらいの人件費がかかっているのでしょう?

仮に、年収400万円の市の職員が自分の年間の仕事の20%をゆるきゃらに費やしているとすると……

400万円×8名×30%=960万円

です。広告宣伝費はいれておらず、純粋な人件費ときぐるみの維持費用100万円だけで年間1000万円は超えるということですね。住んだところのゆるきゃらをやまもとは知らない

ガチでキャラクタービジネスに取り組んでいる企業がいるのに、勝てるのか?

出典「海外のお前ら

日本といえば、アニメやマンガ文化。世界的には幼稚と思われているそうですね。笑 僕もニューヨークに毎年出張に行きますが、日本が好きだ!と言っているニューヨーカーは、だいたい少しオタクっぽいです。笑

ただ、コンテンツだけ見ると非常に力をもったキャラクターばかり。ポケモンやドラえもん、ドラゴンボールやワンピース。僕も漫画が大好きなので色々なキャラクターを知っています。

大企業が、企業の多大なる経営資源を注いでいる市場にどうして一自治体の職員数名で対抗できるでしょうか?

事業をやっていれば、あまりにも不可能に近いのが分かるのに本当に不思議です。

キャラクタービジネスに年間1000万円かけていると先程話しましたが、逆に考えれば年間で1000万円ほどしかかけられないのに、超絶レッドオーシャンに参入してはだめでしょ!

偏差値30の僕が東大を目指したぐらい無謀だと思います。笑

やまもと社長が考える問題点と提案

「キャラクターを作って集客」の考えが違う

くまモンの例をみて、「よっしゃ!うちの自治体もゆるきゃらで集客じゃ!」と思ってキャラクターを作っている各地方自治体。果たしてキャラクターを理由に、その土地に行こうとおもうことがあるでしょうか?

地方創生大全の木下さんは、様々な具体例を通じて「行政が他の自治体の取り組みをすぐ真似して自分で考えることをしていない」と言っています。

キャラクターを作れば、勝手に商品が売れる。だから作ろう!って。

でも、作ってる担当者、各地方自治体に旅行いったときにそのゆるきゃらグッズ買ってるんですかね?笑

大事なのは、その土地に行く(移住・旅行とわず)理由を作ることです。もしゆるきゃらを作るのであれば、明確に行く理由となる企画を作って実施をして、そのシンボルとして作るのがいいでしょう。

福岡なら全国から起業家(事業者)を集める

僕が福岡市の職員ならば、ゆるきゃらで各イベントをぐるぐる回るようなことはせずに(高島市長も実際に力をいれているところでもありますが)、もっと事業者が集まるような企画に力を入れます。

地方創生問題を考えるときは、単に人口の問題と考えるべきでないことを地方創生大全から勉強しました。

産業が栄えることによって、消費が増え、雇用が増え、そこに定住することが可能になります。

事業がしやすい福岡を拠点にしてみては?

福岡は、

①家賃安い
②新幹線と飛行機が使いやすく大阪と東京に行きやすい
③市内がコンパクトにまとまっているので公共交通機関だけでさらっと移動できる
④高島市長が民間(特にスタートアップ)に重点を置いている

という点で、非常に仕事がしやすいです。特にこれから、僕みたいに1人体制で起業を考えている会社員の方や、現在自分で事業をやっていて、パソコンがあるから必ずしも東京や大阪でなければならない理由がない人は、福岡に本社を移しても良いと思います。

僕も2016年に大阪から、会社の登記簿上の住所と自分の個人の住所を福岡市に移しました。

にんにくフェスをきっかけに福岡の事業のしやすさをPR

にんにくフェスですが、来年は市役所前で行うことを考えています。天神のど真ん中なので非常に立地が良いですよね!西日本新聞の屋上もとても良い会場でしたが、来年はさらに挑戦をしたいと思っています。(家賃が4倍ぐらい……!)

僕が福岡に本社の移転をきめたときも、福岡に1ヶ月だけ仕事で来たのがきっかけでした。

だからこそ、福岡の企業はもちろんのこと特に東京と大阪の企業に対してアプローチをして、福岡で事業をする体験をしてもらいたいなと考えます。

面白い企業を誘致することができれば、さらに福岡が魅力的なコンテンツとなり、人が移住をしたり観光客が増えることでしょう。

まとめ

ゆるきゃら政策を調べていって感じたのは、実際に自分が市の職員になったときにその代わりの対案を出せるだろうか?という点でした。

自分は話すことや積極性はあっても、自分で企画を考えることはとても苦手です。苦手ですが、考えないと力がつかずにずっとそのままなので一生懸命勉強ですね。

改めてまとめようと思いますが、一緒ににんにくフェスを主催している曽我さんの企画力は本当にすさまじいなと。

にんにくフェスの企画が他の企画とどこが違うのか?はまた改めてまとめようと思います。

それでは!

P.S.感想などコメントもらえると嬉しいです。

やまもと社長

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